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2023年を振り返って

 2023年は、からふるにとって我慢の1年でした。


 2023年は、コロナ対応から始まりました。年末年始休暇中に利用児や職員複数がコロナに感染したと連絡を受け、その対応に追われた年明けでした。幸い事業所内で感染が広がることはなく、みんな元気に復活してくれたのですが、コロナの本当の恐ろしさはコロナに感染することではなく、コロナ後の体力低下や免疫力低下にあったということを思い知らされるのは、ずっと後になってからのことでした。


 2月に入ると、児発の子どもたちの保育園の入園が決まり始めました。これまで一部自治体では、「医療的ケアのある子どもを保育園で受け入れるなんて怖い怖い」と門前払いだったのですが、急転直下複数の子どもが入園できることになりました。「医療的ケア児支援法」の威力、おそるべし!

 しかしからふるにとっては難しい舵取りを迫られることになりました。児発は年々ご利用児が減少し、問い合わせもピタリと無くなっていたのです。数名の子どもたちが保育園に入園することになると、残った子どもたちで集団形成することがとても難しくなりました。またご利用回数がグンと減少することで、経営的にも厳しい状況になりました。

 でも、子どもたちにとっては地域で同年齢の子どもたちと一緒に育つ環境を保障されたこと、保護者にとっては就労が保障されたこと(これまではほとんどの保護者が退職を余儀なくされてきました)は大きな進歩で喜ばしいことだったので、前向きに捉えることにしました。

 実際、保育園に入れなかった子もいましたが、ご利用人数が減った分、空きが増えたので預かり時間の延長を開始し、子どもの発達支援や保護者の就労保障に貢献することができました。


 4月から新しい体制で出発し始めましたが、保育士・児童指導員がなかなか確保できず、加算を取り下げてもなお、私の体に異変が起こるほど京都府からは厳しい指導を受けました。しかしこういうピンチの時には必ず救世主が現れるのがからふるです。おかげで何とか乗り越えられました。


 コロナ禍では長らく子どもたちに制限をかけた活動を強いてきましたが、コロナが5月に感染症法上5類に引き下げられたことによって、これまでのような厳しい制約を解除しました。おでかけやクッキングなどで子どもたちの楽しそうな様子を見ると、コロナで失った3年間を取り戻してほしいと切に願わずにはいられません。


 しかしコロナは子どもたちに大きな影響を与えていました。3年間感染させないように守ってきたことが子どもたちの体力や免疫力を低下させ、ウイルス感染にかかりやすくなっていました。しかも普通なら投薬と自宅療養で治るようなものでも入院が必要になったり、治ったと思えばまたすぐに違うウイルスに感染したり、ヒヤヒヤする日々が続きました。


 子どもの欠席率が増えると、これもまた経営には大打撃です。それだけでなく、子どもがいない日が増えると職員のモチベーションにも大きな影響を及ぼしました。

 これまで児発と放デイの多機能型事業所1つで6年間やってきたからふるですが、複数の事業展開をしていかないと、1つの事業が停滞したときに経済的に苦しいだけでなく、大事な人材を流出することにもなりかねない―― そして私自身いつまでも支援に入って経営に専念できない状況から脱却しなければならない――


 1年間停滞してきたからふるにとっては大英断でしたが、ここで一気に職員を増やし、次の事業展開に向けて具体的に動き出すことにしました。子どもが減っている今こそ、いろんなことを整えるチャンスだと思って。


 求人はなかなかうまくいきませんでした。足もとを見るかのように人材紹介会社や求人媒体が電話をかけて来ては、目が飛び出るような金額を提示してきます。そんなお金があったら職員にボーナス上乗せしますわな、ホンマ。

 

 そして停滞したまま12月を迎えると、何があったのかと思うほどいろんなことが動き始めました。

 1年以上も新規ご利用児の問い合わせさえなかったのに、問い合わせや見学希望が立て続けに来始めました。

 また難航していた求人も進み始めました。お金を掛けて必要な人材を手っ取り早く集めることも1つの経営戦略かもしれませんが、からふるはこれまでご縁を大切にした独自の方法で求人を行ってきました。今回も地道に求人活動を続けたことが功を奏し、年明けから少しずつ体制を充実して行き、次のステップに向かえそうです。


 我慢の2023年もまもなく終わり、新しい年がやってきます。2024年は我々にとって戦々恐々の報酬改定がありますが、何とか乗り越えていきたいと思います。


 本年もたくさんお世話になりありがとうございました。来たる年もよろしくお願いいたします。

 ぎりぎりになりましたが、皆様よいお年をお迎えください。





 


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