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平成の終わりに~人それぞれの構造化


 いよいよ今日で平成が終わり、明日から令和という時代がやってきます。

 ここ数か月間、「平成最後の○○」などという言葉をよく耳にして、「終わり」や「区切り」を意識する機会が多かったのではないでしょうか?

 主に自閉症の方々に用いられるTEACCHプログラムの中に、環境をわかりやすく整理する「構造化」という手法があります。「終わり」や「区切り」を明確にして、どこまでやればよいかわかりやすく設定することも手法の一つです。

 自閉症の方に対してだけでなく、一般社会においても構造化はよく用いられていると思います。からふるでも子どもたちだけでなく職員にも仕事をしやすくするためによく用いています。

 ところが私個人は実は構造化がとても苦手。「終わり」が決められているとそれが気になって仕事が手につかなかったり、枠を決められるとそれだけで落ち着かなかったり。そういえば子供のころから期日が決められた宿題とか課題は苦手で、かろうじてぎりぎりになってやる子どもでした。制限のない自由な課題は率先して人よりたくさんこなすのに!

 大人になってからも、例えば電車の時間に間に合うように家を出たり、締め切りのある書類を計画的に準備することがとても苦手なダメ人間。一度真剣にあるOTさんに相談したことがありましたが、「でもきちんと社会生活送れているでしょ?」と言われてしまいました。確かに駅まで走るけど電車には間に合うし、1本乗り遅れても大事に至ったことはない。締め切りぎりぎりで徹夜することはあっても、何とか書類も提出している…でもなぜ自分は枠を決められるとこんなに落ち着かないんだろう??

 以前、自閉傾向のある知的障がいの方を担当したとき、とても勉強になったことがあります。その人も決められたスケジュールではなかなか動けなかったり、部屋になかなか入れなかったり、混乱してくるとパニックを起こしたりされていました。もっとわかりやすく環境を整理してあげたらいいのでは?と思い、写真カードでスケジュール表示をしたり、終了がわかりやすいように視覚的にわかるタイマーを用いたりしてみました。ところがその人はそういう構造化をすると余計に気になって動けなくなり、パニックを起こしやすくなってしまいました。

 心理の先生とケース検討を重ねるうち、その人の成育歴に意外なことが隠されていることがわかりました。その人は「終わり」や「区切り」を意識させられると、大好きなお母さんと引き離される不安を抱えているということがわかりました。その人の場合、明確に「終わり」を提示するよりもフェードアウトのような終わり方の方が受け入れやすく、枠組みをボヤ~っとしておいた方が落ち着いて行動できたのです。

 自閉的傾向のある人でも明確な構造化をしない方が落ち着ける人もいるということを身にしみてわかったケースでした。

 私の深層心理にも構造化が苦手な理由が隠されているのかもしれませんね。ただ枠にはまるのが嫌な性格だけかもしれませんが(笑)

 平成のうちに片づけておきたかったことも多々ありましたが、令和に持ち越してしまいそうです。やっぱり「区切り」からはみ出てしまいました…(^_^;)

 GWのうちにゆる~く片づけたいと思います。

 今日で何かが「終わる」というわけではなく、明日からも毎日は続いていきます。新しい時代も明るく平和な時代でありますように🌝

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